不妊・不育症

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山王ドームクリニック

不育症について

不育症について

不妊症とは妊娠しない場合をいいますが、妊娠はするものの流産を繰り返したり、中期に早産や死産を繰り返して元気な赤ちゃんを抱くことができない場合を不育症といいます。妊娠したにもかかわらず赤ちゃんを途中で失う苦しみは妊娠しない苦しみと同じく、いや、それ以上につらいものかも知れません。
妊娠をした人の10%から15%は自然に流産してしまいます。その多くは赤ちゃん側に原因があり、受精卵は染色体異常などのために、もともと育たない運命にあり、治療の対象にはなりません。しかし、流産が2回、3回と続く場合は赤ちゃん側の原因ばかりとは考えられません。自然流産を3回以上繰り返す場合は習慣流産といい、これは治療の対象になります。習慣流産では適切な治療をほどこさないと次の妊娠でも50〜70%が流産してしまいます。そこで、このような場合には原因をつきとめるための検査を行い、それに基づいて診断・治療を行います。不育症・習慣流産の原因は様々です。子宮奇形や子宮筋腫(特に粘膜下筋腫)などの子宮異常ホルモンの異常糖尿病甲状腺疾患、ある種の感染症免疫異常などが考えられますが、この他にもこれといった原因が見つからないのに流産を繰り返す場合も多いのです。また、両親のどちらかが染色体異常の保因者であるときも流産を繰り返すことがあります。

このうち、免疫異常による流産が最近注目されています。ここで免疫異常による流産について少し詳しくお話ししましょう。お母さんの体が妊娠を受け入れにくいような体質だと、赤ちゃんが育ちにくい場合があります。こうした体質の中に免疫異常に基づくものがあることが最近の研究でわかってきました。人の体には外から細菌やウィルスなどの異物が侵入してきた場合、これを排除する免疫機能が備わっています。胎児は母親由来の遺伝子と、父親由来の遺伝子をちょうど半分ずつもらっています。すなわ、胎児の半分は母親にとっては異物であると考えられます。本来の免疫機能が働けば胎児は排除されてしまうことになりますが、これでは妊娠は成立しません。そこで子宮の中の大切な赤ちゃんだけはこの免疫機構から見逃してもらうような巧妙なからくりがあるのです。ところが、なかにはこの巧妙なからくりがうまく働かないために他の異物と同じように排除してしまう場合があります。これが免疫異常による流産です。このような場合には、夫のリンパ球を注射する免疫療法を行います。まだわかっていない部分も少なくないのですが、世界中の多くの研究機関で有効性が報告されました。当院でも数年前からこの夫リンパ球免疫療法を行い、大変よい成績を上げています。また、抗リン脂質抗体症候群といって、自分の体の成分に対する抗体をつくる自己免疫疾患の一つがありますが、この場合にも流産を起こしやすくなります。抗リン脂質抗体症候群も免疫異常による流産に数えられます。治療法には低用量のアスピリン療法(小児用バファリン)漢方薬(柴苓湯)を用いる方法があります。

不育症の検査・治療

  一般検査 特殊検査
一般検査 血算
生化学スクリーニング
スメア(EC,C)
スメア(EM)
 
子宮等器質的異常 超音波断層法
子宮卵管造影
子宮鏡
腹腔鏡*
CA125
子宮奇形/手術
子宮筋腫/手術、ホルモン療法
内分泌学的
異常
高温期 E2定量
高温期 P4定量
子宮内膜組織検査(黄体期7日目)
プロラクチン値(TRH test)
甲状腺機能検査 FT3,FT4,TSH
黄体機能不全/ホルモン療法・クロミッド
高プロラクチン血症/ブロモクリプチン
甲状腺機能異常/内科的治療
代謝異常 空腹時血糖
HbA1c
糖尿病/内科的治療
自己免疫異常 クラミジア抗原(DNA)抗体検査
トキソプラズマ血清抗体価
梅毒血清反応
クラミジア感染症/抗生物質
トキソプラズマ感染症/抗生物質
梅毒/抗生物質
自己免疫異常 抗核抗体
APTT
LAC
抗カルジオリピン抗体 IgM
抗カルジオリピン抗体 IgG
β2GP1
間接クームステスト
抗リン脂質抗体症候群/
小児用バファリン・柴苓湯
副腎皮質ホルモン
同種免疫異常 NK細胞活性
HLA(妻)
HLA(夫)
夫リンパ球免疫療法
染色体異常 夫婦染色体検査(妻)
夫婦染色体検査(夫)
 

それぞれの検査及び治療の詳細については、外来にておたずねください。また、検査の特殊性から、まだ保険診療の対象になっていないものがあります。自費による検査となる場合事前に説明いたしますので、不明な点がございましたらご質問ください。